ブルガリアのプロブディフから昼のバスの便が出ていた。
自分がブルガリアで買っていたチケットが、エディルネではなく、
イスタンブール行きと気づくのが遅すぎた。
購入から丸一日わからなかったのだ。
これはおれのミスでもあるけど、バス会社のミスでもあり、しかし、憤るに憤れない。
倍近く払ったことになるが、まあ1000円くらいの損なので、勉強代としておこう。
「こりゃ、とりあえずイスタンブールに行けってことなのか?」
と思い、好きだった子にふられた気持ちと似たような感情…
いや、ふられたとしてももう一度アタックしようという思いが湧いてきて、
ついにバスを降りることを決断!
降りたはいいが、高速道路の反対車線に移りバスを探し、お店のお姉さんに
「もう今日はバスが来ないわ。ヒッチハイクしかないわね。」と言われ、困っていた。
それを見かねて助けてくれたトルコ人カップル。
なんとエディルネまでの30分、車に乗せてってくれました!
・・・しかし、その30分は、申し訳ないけど生きた心地がしなかった。
180km/時でかっ飛ばす車、なぜか口論をしだす二人、
その口論も、男の人が手を挙げそうなくらい激しい口調…
いたたまれずも、トルコ語が全くと言っていいほど話せない私。
そして英語を解せない二人…
場を和ませようにも和ませられない(笑)
沈黙の30分が過ぎ、なんとも最後は穏やかに高速出口に置いていってくれました。
その後近くの大学まで歩きバスをつかまえようとするものの、
まったく行き先が分からない。想定外のところで降りたからだ。
しかし、大学生たちが優しく、「おれらに着いてきて!」といい、適切なバスまで案内してくれ、
無事エディルネの中心街まで到着。
1泊40トルコリラ(TL)のところを30TLにまけてくれた宿には、
大勢のシリア人家族が…。
そしてアルジェリアからの若者も、多い。
近くのケバブ屋さんで聞いた話によると、やはり彼らは戦争避難民だという。
アルジェリアからも、シリアからも、避難民がトルコに押し寄せている。
それも、国境付近ではなく、シリアの国境から最も遠いここエディルネでも。
このシリア人たちと挨拶するときには「メルハバ」ではなく「アッサラームアレイクム」を使うので
そこでようやく、「あっ、シリア人だ」と分かる。
やはり私は顔ではどこの国の人か判断できない。
彼らの中で、もちろん小さな子どもたちもいるんだけど、
6、7歳の子達が人懐っこく、おれのバックパックを持ち上げようとしたり、
英語を話そうとしたりする姿を見てると、
かわいくうつるが、
自分の故郷から離れて暮らさざるをえない親の気持ちも想像してしまう。
ただ、夜は騒々しかったのが困った。
彼らは学校にも行っていないし、仕事もしていない避難民。
夜中の12時を過ぎても子どもが寝る気配はなく、廊下で騒いでいる。
結局静かになったのは3時頃で、私はヘッドホンをつけて寝ざるをえなかった。
そういう”常識”は、彼らには通用しないのだろう。
ああ、長い一日だった…。
これが見たいがために、旅をしていたといっても過言ではない セリミエ・ジャーミー |
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