そう、私の中で一番行きたかった場所は、しつこいようですが、ここ、エディルネなんです。
だから、ここを見終えたときに、旅を終えても「まっ、いっか」となれる場所だと自分では考えてるんです。
このエディルネには、建築家シナンの最高傑作と言われている、
セリミエ・ジャーミーがあるんですが、ブルガリアからの道中、このセリミエジャーミーをバスの中から見たときには、あわわわわって震えました。
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シナンという人物を知ったのは、ある小説でからでした。
夢枕獏氏の『シナン』という中公新書で出版された小説を読んで、ミマール(大建築家)・シナンという人物に出会ったんです。
この作品の最後には、歴史的小説であるにもかかわらず、涙が出てきたのを覚えています。
チューリップが最初と最後で関係してくるのだが、最後の方に「えっ、そういうことでここに逆さチューリップが刻まれてるの?」と驚いて感動した記憶があります。
2度ほど読み通したので、このセリミエ・ジャーミーについてはだいぶ頭に入ってます。
世界最大のモスクという大きさで、直径約32メートルあり、6本の大きな太い独立した柱と、
2本の付随する柱によってドームを天に向かって持ち上げているモスク。
ミナレット(尖塔)は、内部に3重の螺旋階段を持ち、それぞれの階段が、違った階の出口に出るという 興味深い作り。 |
87歳のシナンが(その年齢で作品を作るということ自体が凄いと思う)、
どうしたらイスタンブールに作ったアヤソフィアを大きさ的に超えられるかを考え、
たどり着いたのが、八角形でドームを支えるというもの。
ここは調べたが、窓の数は999あるそうで、内部は広々とした空間が広がっていました。
花とともに |
モスクの正面 |
信者はもちろん自由に出入りできるが、他宗教の者でも礼拝の時間以外は自由に出入りできます。
逆さチューリップもありました。
内部の中央に、信者が体を清める泉があるのですが、その泉を囲むように太い柱が使われています。その柱の一つに、シナンが、チューリップを彫ったそうです。
そのことについても、小説に記載があり、「いつか見てみたいなあ」と思っていたのですが、
ついに、たどり着きました。
チューリップは、この大きなモスクを建てる以前の土地を持つ頑固な(と記録があるらしい)老女が、シナンに条件として、モスクにチューリップを入れるように、というものを課したそうな。
それで、偶像崇拝が禁止であるイスラム教であるにもかかわらず、像と捉えることもできるこの
逆さチューリップを彫り入れたことは、シナンの何か思うところがあったからだろうなあ。
たぶんイスタンブールの有名なモスクよりは、観光客の人数は少ないことでしょう。
じっくりと眺め、時間が過ぎていくのを感じることができました。
日本人の団体さんが、ぐわーと押し寄せ、フラッシュ付きで写真を撮っていたのを見て、がっかりした。観光施設である前に、宗教施設であり、礼拝中の人たちがいることを考えると、
そういうことを考慮して見たほうがいいんじゃないと思う私なので、思わず余計なお世話だけど、フラッシュぐらいは避けたほうがいいんじゃないですか?と声をかけてしまいました。
そしたら「えっ、そうなんですか?」という返答がきたので、たぶんあまり理解がない人なのかなと思いました。
ガイドがまずは説明すべきであって、たぶんその現地ガイドは、
一般的な日本人が宗教施設に対しての知識理解が少ないことも知らないんだろうと思われます。
日本でいうと、神社で参拝している最中に、その参拝しているまさに目の前で他の国の人が写真撮影しているのを考えるとおお、ちょっと失礼なんじゃないあんたたち、と思うのと同じかな。
大人なんだから、ちょっと考えれば想像できそうなことなんだけどね。
ヨーロッパや南米のカトリックの教会内でも大きな声でフラッシュたいて写真撮影をしている同胞を見ていると、
「ああ、この人たちは私たちの文化を尊重してくれないのね」と思われても文句が言えない。
まあ、おれもモスク内で写真を撮っている時点でアウトなんだろうけどね(笑)。
夜は昨日と同じ定食屋さんみたいなかんじの雰囲気のレストランに。
昨日食べたケバブ類の皿が、量の割には値段も良く(10トルコリラ、だいたい500円)、気に入ったので、違うメニューを注文してみた。
ちなみに、白いのはヨーグルト |
おれのトルコ語単語アプリに興味を示した現地の子 |
そうなの?!と驚いてみせたけど、とき既に遅し、食べ終わっているから払わないといけない。
そうしたら、20リラまで値下げしてくれた。…ということは、もともと20リラ以下の可能性大だな。
最初に値段を確認すべきだったが、今までトルコ15日間くらいいるけど、
この「最初に値段を確認する」ことを怠ってはいけない、と何度思ったことか!
絶対にそんなしないだろうと言う値段を言ってくるのだ。いわゆる、「ふっかけ」だ。
「これは正しい値段じゃない。本当の値段が知りたい!」と抗議し、2度ほど半額くらいが返ってきた経験があります。
ヨーロッパの諸都市に比べれば、“比較的”物価は安いが、それでも、ふっかけられた値段はちょっと驚きます。
平気な顔して嘘の値段を言うのには、ちょっと呆れる。
そして言い訳は、「ああ、ヨーグルトは飲んでないのね、すまんすまん」というようなかんじ。
ごめんという言葉を言えるのは、まあ合格だが、平気な顔して嘘を言う商魂なんかは、
その魂を抜いて差し上げたい。
トルコの人は親切だよ、と良く人は言うけど、
本当の親切というのに出会えるのかどうか、楽しみに旅してます。
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