2014年12月7日日曜日

パレスタインで一時的に盗難に遭う&負の連鎖


パレスタインで平和への道を探る活動をされている人々がいるってことを承知で書いてます。
自分が体験した一場面ですので、これがあったから、どちらの人種がどうだこうだとは決めつけることはしないようにしたいです。

今回、長い記事です、ご勘弁を。でも、最後までしっかりと読んでいただけたら幸いです。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

宿で韓国人の夫婦と話をしていて、その夫婦はとても気さくで、フットワークが軽いし、
そんなに深刻に考えていないとも言っていたけど、こういう話をしたんです。
「パレスタインエリア、ベツレヘムでもラマラーでも、町を歩いていて、おれたちに声をかけてくるわけね、地元の人たちが。
耳元で大声で『チャイナ!』と言われたり、小さな子どもたちが大勢で『ファッ○ユー!』と言ったりするんだよね。」って。
おれはその話を聞いて、もうそんな侮蔑は聞きたくないし、
差別体験も進んでしたくないから、行くのを諦めたわけ。

エルサレムの街で過ごしていたある日、エルサレムの城壁の外に出て、
ゲッセマネの園(イエスが捕らえられたと言われている場所)を訪れた後、丘の上にある教会に向かって歩いてたんです。
ここがゲッセマネか!

20分は歩いたかな、遠くから「チャイナ!ファック!」と言ってくる輩がいたので、
ついついこのやろうと思ったのがいけない。
こっちが「お前はジューか?アラベか?」と聞いたときには、近づいてきて、
パレスチナの地図を買ってくれ、おれたちゃ金がないんだ!という。
すでに相手も顔を近づけて話したり、声を大きめにして話したりしていた。
こりゃ避けたほうがいいなと判断し、踵を返すも、アラベの若者二人が妙にくっついて離れない。
そりゃ買わん!と言うと、さっと彼らは離れていった。
なんだったんだあの二人は…と思い、レインジャケットのポケットに手を入れると、あったはずのスマホがない!!!
しまった、あいつらにやられた!と思い、すぐに後を追う。
周りもグルだって分かってたけど、「あの二人はどこだ!?」と血相を変えて聞き、ダッシュ。
このダッシュの間も建物の窓から「チャイニーズ、コレア、ジャパーン、ファックユー」の大合唱。
おうおう、大歓迎だな東アジア人。
ここで初めて、ああパレスタインに入ってしまってたんだなと、朝の韓国人の話を思い出しながら気づいた。

300mくらい行ったところで捕まえたが、果たして彼らだったかまるで顔を覚えていない。
いや、しかしこいつらだと詰問するが、彼ら自体とぼけてる。
うわーこのまま、さよならも言えずに去っていくのか、旅の最も貴重な相棒よ。
悔しい思い半分、自分の不注意さ半分で盗られた場所に戻ると、老人が「お前の携帯はこれか?」と差し出してきた。
おお、戻ってきた!ナゼアンタガモッテイルンダイ?
しかし、カバーや飾りは取られていた。

なんであんたがもってるんだとも一切尋ねず、ありがとうだけ言い、その場を去ろうとするも、
先ほどの二人がまた付いてきて、戻してやったんだからいくらか金をよこせという。
このやろうと腸煮えくり返ってたけど、ここで喧嘩にはなりたくない。
元々盗ったのはお前らだろ?なんでおれが金やらにゃならん?
というと、罵詈雑言の嵐。盗ったのはユダヤ人だと言い出すし、おれのことをお前はユダヤ人だと言う。
まわりにいた関係のない7,8歳の子どもまでも、ファッキンチャイニーズと言い出す始末。
その場にいた5,6人に、中指を立てられながら、見送られた。

その後は無事に帰れたが、パレスタインの状況ってこんなかんじなのねって、身をもって知れた時間だった。
ここまで、「教育」されてるのかとも思ったし、自分たちがユダヤ人の兵士に差別されていることの報復に、
こうして東アジア人を差別することでその嫌な感情を昇華しているのか。
東アジア人がなんかしたかー、お前たちの人生になにか悪い影響を与えたのか?!なんて考えても意味がないって、ここでは感じた。
激しかったわ…

宿に帰ってこのことを(パレスタインを支援している)インド人に話せば、
「いや、私は彼らとは良好な関係を築けてたわ。」というし、
オランダ人に言えば、「私も道を歩いていて『sex, sex, seeeeeeeex!!!』って言われて耐えられなかったわ。」という。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

親から、地域の大人から、教師から、憎しみや恨みしか植え付けられなかったら、
こうなるのか…と痛感した貴重な時間でした。

ただ、反対にパレスタインによる報復攻撃や復讐なんかをされているユダヤ人側からしてみれば、
あいつら人間じゃねーって話になるわけで、
これ、宗教じゃなくて、政治問題だと思っているんだけど、解決の糸口って全く見えないなって感じた。
エルサレムを囲む城壁
この城壁は、オスマン帝国スレイマン1世が命じて建てたものだという


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

最後に、こんなニュースをWeb上で見かけました。
イスラエルでは、ユダヤ人とパレスタインアラブ人の住み分けが行われていて、
有名な場所だと、ガザ地区だったり、ヨルダン川西岸(West Bank)だったり、日本でもニュースになっている場所があります。
ただ、共生共存している場所もあり、ある地域では、
ユダヤ人が経営しているスーパーマーケットでパレスタインアラブ人が働いているというところもあるそうです。

先日、そのスーパーマーケットに客として来たユダヤ人をアラブ人が襲撃、刺傷するという事件が起きました。
頭部に傷を負ったユダヤ人のその客を、アラブ人従業員が必死に手当てをしたんだそうです。
とても痛ましい事件ですが、その後、そのスーパーを経営するユダヤ人は
こういうことがあったからといって、アラブ人を雇わないとか解雇するとかはしない。これからも雇っていく。私たちは『共生』していくんだ。」と述べたという。
この記事を見て感じたのですが、本当に一部の過激な行動をする人たちが平和を希求する人たちを乱しているんだなって。
エルサレムの夜
左端に見えるのは聖墳墓教会
そして、先ほど言及した、手当てを施したアラブ人は、親戚を過激派ユダヤ人に襲撃され殺されていたことがわかったという。

0 件のコメント:

コメントを投稿